ずっと昔に見たのだと思うのですが、改めて見て、マリアンのイモっぽさとか、貴族の暮らしに気後れする様子とかが、綿密に意地悪に描かれているなぁと思いました。

 

ローレンス・オリヴィエという人は、そんなにたくさん見ているわけではないのですが、この作品だとちょっと「軽っ」という印象を持ちました。時々級に不機嫌になるところなど、メリハリはちゃんと付けているのですが、トータルで見ると「ととのった顔だけど、薄味」と思ってしまいました。

 

当初は理想の貴婦人と思われていたレベッカの実像が次第にわかってくるところにはやはりカタルシスがあり、終盤に真相が明かされるところがもっぱら会話劇なのも気にならないくらいです。

エンディングもいまならもっとねちっこくやるんでしょうが、上品です。