デ・ニーロとアン・ハサウェイという、世代の差がある二人のスターの共演に、レネ・ルッソという魅力的な配役。
定年後の時間を妻をなくして一人になった男がどう過ごすのか、という視点と若くして急成長を遂げたベンチャー企業の女性社長が迎える転機をうまくミックスした話しに仕上げました。
正直にいってしまうと、デ・ニーロ演じるベンのキャラクターが出来すぎていてリアリティーはないのですが、反面、社長ジュールスの仕事と家庭で起きるひずみについてはなかなかの切実さがあって、アン・ハサウェイの演技としては非常に魅力的に撮れていると思いました。
脇役の若手社員たちもそれぞれ活躍の場があり、あきさせないコメディーだと思いましたが、反面、ジュールスの両親や、ベンの子どもたちとの関係を一切描かない、という割り切った決断があって成立した、少しキャラクターが単純化された話とも言えるかなと思いました。
