このところ見ているロシアのエンタテイメント系映画の中では飛び抜けて西欧的というか、口の動きを見ていると全部英語でセリフを言っているのかな、と思うんですが、これ、ロシア語版と英語版と二通り役者さんにしゃべらせたんですかね。
英語の発音は少し優等生的で平板、音響的には吹き替え感が残る出来ばえなんですが、話そのものには引き込まれました。
幼いころにさらわれた父親の謎をめぐって、本人や社会に隠された秘密を解きあかしていき、そのプロセスで革命運動にも巻き込まれる、アビゲイルという主人公の物語。途中でしばしば幼いころの本人と父親とが会話しながらピンチを脱するヒントを得ていく、という形で、こども時代のアビゲイルを演じている子役の熱演が光りました。
世界観としては「ハリー・ポッター」「不思議の国のアリス」「移動都市/モータル・エンジン」「スチームボーイ」あたりが微妙に混ざった感じでしょうか。冒頭に伝染病が広がって、感染者は情け容赦なく隔離されていく、という描写があるんですが、まだコロナ禍前、ということもあって、マスク姿で歩き回る人々はいませんでした。
