CSで番組表を見て、ざっくりと録画した中の一本。ぼくが見てきたエンタテインメントの世界では陰謀を企む側に描かれてきたロシアのエージェントの世界の内幕を描こうとしているからまずそこに興味を惹かれました。

で、見てたら「魔界探偵ゴーゴリ」や「アトラクション」で活躍しているアレクサンダー・ペトロフ主演。そして彼や他の「ユース」という若手スパイが世界中に「スリーパー・セル」として潜伏していて、彼の父親がそのボスだったのだけど、死んでしまって、彼らを活動させられるキーワードを誰も知らない、という話。で、そのスリーパー・セルたちを操ろうとしているのは誰?みたいなスリラーです。

自らのアイデンティティーを探る、という意味では「ボーン」シリーズ的な要素もあるんですが、そんなにアクションが出来るわけでもなく、カーチェイスシーンもアメリカものとくらべると道も広くて車もすくないので何となくゆるい出来。キーワードを思い出したりするシーンに伏線が散りばめてあった、というのはちょっと面白い演出だったけど、ちょっと人情ものっぽくて、最後は湿っぽいヒューマンドラマみたいになっていきました。

洗脳や脳の情報のコピーとか、SFチックでリアリティーのない要素が入ってくるわりに、最後の黒幕はちまちましていてせこい、そういうちぐはぐ感は否めないですね。

でも、何となく最後まで見てしまったら、このペトロフらしい役柄って、こういうことなんだな、と腑に落ちたり。このままちょっと情けない青年役で頑張ってほしいです。