2019年の「ヘルボーイ」を見たいと思ってたんだけど、前の作品のディテールを忘れ過ぎてる!と思ったので、最初から見直そうと思い立って、今日は2004年の1作目。

全面的にCGが採用され始めたころの作品だから、今に比べると画面が整然としていて、なんとなくきれい。今のディストピアSFって、逆に汚しすぎ、と思うこともあるけど。

メイキングを見ると、原作者のミニョーラはコミックアーティストとしてずっと活躍してきたけど、ストーリーから自分で考えた初めての作品だったそうだ。モデルが家具職人だった父親で、毎日オガクズまみれで帰ってきた力強いイメージ、というのを聞いて、ヘルボーイの無口な不器用さが腑に落ちた。

設定の説明は1944年の戦争末期のナチスの研究でヘルボーイ誕生、ストーリーは新人捜査官の目から描いた、極秘のFBIモンスター捜査研究所の様子から始まるのでわかりやすかったけど、モンスターがモンスター事件を捜査している、というひねりの面白さやヘルボーイの捜査官としての強みはあまり印象つかず、日常のルーティンをもう少し描いたらよかったかも、と思った。子どもっぽく脱走を繰り返して全くチームとしてのコントロールが効かない捜査の支離滅裂ぶりの方が目立った。

クライマックスでのバトルも少し淡白で、ジェフリー・タンバー演じる部長とのコミカルなやりとりと、墓から掘り起こした死体が喋り出すあたりが一番楽しかったかも。

デザインワークやアニマトロニクス、特撮はそれでも贅沢な楽しみ方ができた。序盤から出てきた半魚人のキャラクターが、「シェイプ・オブ・ウォーター」の怪物にこんなに似てたっけ、とビックリした。それだけ忘れてたんだろう。