CGばかりになる前の時代の作品で、Blu-rayのメイキングとかを見ると、コミックスにただ忠実に、というよりも映画独自の魅力と原作の本質をうまく掬い取った労作だなという印象を受けます。

レイチェル・ワイスの二役の演技もさすがだし、ティルダ・スウィントンは生き生きとサディストを演じているし、ピーター・スターメアの悪魔はイタズラ心に満ちているし、ワクワクの止まらない作品。

冒頭から始まる「ロンギヌスの槍」発見からのメキシコのくだりは途中でフェードアウト気味になるのがちょっと惜しいですが、後半のクライマックスでちょっとのキズは帳消しに。

知り合いが禁煙のための映画だ、なんて言ってましたが、頷けるところもあります。

でも、安易なロマンス映画にはならず、精神病院に入れられた妹とアンジェラの関係なども繊細に描かれていて、見れば見るほどディテールに深みを感じました。

エンドロールの後ろにも少し話があるので、見逃すと損します。