原題のNight on Earthを、「ナイト・オン・ザ・プラネット」とすると、ちょっとニュアンスがズレてしまうのは惜しいなと思っています。宇宙的なスケールよりは、より「地上」にこだわった原題をそのまま読んだ方がよかったのでは。

 

細かいことですが、各ストーリーの地域が切り替わるときの時計、わざわざ逆回転して、すべてのストーリーが並行して同じ時間にスタートしている、ということを強調しているんですね。

公開当時はウィノナ・ライダーの初々しくもふてぶてしい演技が新鮮で、彼女にとってもやりがいのある仕事だったんだろうな、と思ったりしたのですが、改めてみるとジーナ・ロウランズの、ゆとりをもった確かな演技があってのシーンだなぁと思いました。

ローマ編のロベルト・ベニーニ、公開時はものすごく笑ったんですが、今見るとすこしはしゃぎすぎのようにも見えて、「ジョニーの事情」の方が作品としては好きだなぁ、とか思ったりしました。ヘルシンキ編のおかしくも悲しい物語に、人生の悲喜こもごもという感じです。