CIAの監視業務がいつのまにか子守になり、その母親との関係になり、というドタバタコメディー。デイヴ・バウティスタのタフなキャラクターを逆手にとった作品ですね。

派手な大立ち回りは得意だけどスパイとしての繊細な情報戦は苦手、という主人公が、潜入捜査をしているうちに監視対象の娘に気づかれてしまい、弱みにつけこまれて学校や家の中のことをやらされていく感じはなかなか楽しかったです。娘の生意気だけど繊細なキャラクターにノーとは言えない感じ、巧妙に演じていたと思います。

サスペンス的には終盤になるまでそれらしい事件が起きないので、スパイものとしてはやや空振り感も。そもそも何のための任務なんだっけ?という感じがするほどにじらされた感じはあります。

戦地で特殊な任務をしている間に人として心を閉ざしてしまった男が、母子家庭とのふれあいを通じて人間としてリハビリをしていく話、と捉えるとまあ納得でしょうか。相棒のIT担当のジェラシーや共感がいい味になっています。