「ゾーイの超イケてるプレイリスト」のシーズン1を見終わった。
 
原題Zoey's Extraordinary Playlist の extraordinaryは、「想像を絶する」とか、「ものすごい」とか、いろいろ訳し方はあるのだろうけど、「超イケてる」と訳したのは少し邦題としてミスリーディングではなかったかな、という気もする。本人の意図に反して人の気持ちが歌になって聞こえてきてしまう、という不条理さが少し薄れて伝わる感じがある。
 
基本コメディだし、ミュージカル仕立てで進行する楽しい話ではあるのだけど、終盤に向かうにつれて進行性麻痺の父親が衰えていく姿が、14年前に咽頭がんで亡くなった父の闘病生活と重なっていろんな感覚が蘇った。同時にシナリオにも、実際に肉親の死を経験しているからこそ書けるリアリティというものを感じた。
 
第11話で主人公たちが訪ねる、テンションの高い葬儀屋がものすごくおかしくて、顔に見覚えがあったのでもしやと思ったらやはり制作で参加しているポール・フェイグがノンクレジットで出演しているのだった。この人の監督した映画では「ブライズメイズ」「デンジャラス・バディ」「ゴーストバスターズ(2016)」などがあるけど一番好きなのは「SPY/スパイ」で、メイキングを見るとこの人の才人ぶりが如実にわかる。