FOXでやっていたイギリス発のドラマを録りだめてから毎日見てます。
Humansというから人間のことかと思いますが、Synths(シンス)と呼ばれる、ロボットのこと。Synthetic Beingというわけで、日本語でいったら「合成人間」ですかね。
システム的にはコンピューターのプログラムだけれどもとても精巧に作られている。アシモフのロボット三原則的なことはちゃんと守って、人間が嫌がる家事や肉体労働などを従順にこなす、「奴隷」のような存在。社会もそれを当たり前に受け入れ始めているけれど、そういう3Kの仕事を嫌がらずにやるので、仕事を奪われる人間も出てくる。彼らの存在なくして暮らしていけない人たちはより依存度を高めて感情的にも結びついていくし、逆にそういうのを嫌う人はどんどん嫌っていく、そういう分断も描かれていきます。
話の主な縦軸は、ごく一部のシンスは、意識らしきものを持っていること。それはなぜなのか、そしてそういう一体をたまたま購入した家族が経験する事件、家族の軋轢を主軸に描いていきます。
完璧なヒーローは誰もいなくて、ちょっとウェットで素朴なイギリスの家庭だからあるリアリティーというものをうまく捉えているなと思います。アメリカだとただひたすら有能な人が正しいことを言って、事件が起きたら解決に向けての推進力になっていくのですが、この話はそうではなく、実は「壊れている」のは人間やその社会の方ではないのか、ということを突きつけていくところがあります。
途中で、起きた事件を捜査する男性の刑事と、その相棒の女性刑事の関係も描かれていき、意外な展開を見せていったり。このシンスたちを開発したデイヴィッド・エルスターが残したものは一体?というところで引っ張っていきます。
1シーズン8話なので、あっという間でしたが、役者のコンビネーションとキャラクターの魅力が秀逸で、子どもたちも含めての群像劇としてよく出来ているなぁと思いました。
