シリーズの第1作にして超えられない最高傑作。
やはり構造として、アウトサイダーのアクセル・フォーリーが、身勝手ながらも口八丁手八丁で周囲を巻き込んでいって、初めはあきれていたビバリーヒルズの行儀のいい刑事たちが次第に彼のペースに染まっていく、というプロセスを見せたことに魅力があります。
まず最初にビリーが、そして次にタガートが、刑事として何を大事にするべきか、自分で考えて選択していく、という心理がよく描かれているのが、今更ながらによく分かります。
ロニー・コックスの警部補が、最初は全然融通の利かない堅物だったのが、最後に署長に筋の通った説明をするところ、やはりいいなと思いました。
その意味では、最初から関係性が成立してしまっているパート2以降が、それほどのカタルシスをもち得なかったのは仕方がないのかな、とも思います。
監督のマーティン・ブレスト、作品数がそんなに多くないのですが、傑作「ミッドナイト・ラン」につながるアクションやサスペンスの前兆がすでにこの作品で見られているな、と気づくポイントもいくつかありました。
