最初に見たときは原書を読んだ直後で、ラストが違うのと、セリフで理屈を言うシーンが多いな、と思ったのだけど、今改めて見直すと映画の方がラストのひねりが効いていていいなと思う。特にジーン・ハックマンの哀愁がいい。
原作者のジョン・グリシャムは元弁護士で、これが大ヒットしてから一躍時代の寵児になった記憶がある。彼以降、何かの職業を経験した人が作家に転じて業界内幕モノでヒットを飛ばすパターンが増えたような印象を持っているんだけど、他に誰がいたかな。
ただ、個人的にはこの人のものは、当時そんなに好きじゃなかった。弁護士が主人公でものすごい悪が背景にいると匂わせておいて、フタを開けてみたらマフィアかよ、みたいな拍子抜け感があったというか。業界を知っているからこそ、荒唐無稽にはしない、というのが当時新しいかったんだろうけど、少し地味に思えたのも事実。小説だとスリラー として個人の心情メインで書いていけるけど、映像だとそれだけでは持たない。
