この映画に対しては世間の評価は厳しいと思いますが、そんなに捨てたものでもない、というのが個人的な感想です。

なにより、19世紀のミステリー文学へのオマージュぶりはなかなか手が込んでいて、にやりとしてしまいます。「ドリアン・グレイ」を読まずにこの作品をけなしても仕方ないんじゃないかな、と思います。

今日のマーベル映画というのも、この映画の持っている要素を少しずつ現代にリフレッシュして採用している、という部分もあるわけで。

ショーン・コネリーはこの映画が不評で映画界を引退した、などという声もあるようですが、どうしてどうして、アクションも含めてずいぶん達者にこなしていると思います。惜しむらくは、他のキャストに風格が少し足りない、ということでしょうか。

ストーリー的には少し雑で、大きな目的や、企みという部分が不明瞭で、なにをすればそれが防げるのか、どうやって相手の裏をかくのか、という作戦が見えないのに結果的にうまく行ってしまうことが多いところは残念でしょうか。

女性キャラクターに対する扱いは、ちょっと前時代的な部分もあります。