シャロン・ストーンが、まだまだ少年のように見える、そしてディカプリオもほんのイキがってる子ども、そんな風に見せることができた映画。
ストーン演じるエレンは、かつて保安官だった父親を町のごろつきに殺された過去のある娘。成長してこの町に帰って来て、市長となっている仇のヘロッドに復讐を試みる。
折しも町では恒例の、腕に自信のガンマンが決闘し合う対決が行われる。そこに牧師に転身したコート(ラッセル・クロウ)も強制的に参加させられ、エレンも参加。最初は彼女の本当の意図は明かされない。
コートも最初こそ渋っていたものの、いざ銃を持たされると、天性の才能と死への恐怖から相手を圧倒し、勝ち抜いていく。
ヘロッドの息子キッドも、若くして才能あるガンマン。父に認めてほしい一心で参加。
そして、だんだんそれぞれが勝ち進むうちに、ルールは相手を殺すまでに変更。ヘロッドは息子を撃ち殺し、エレンとコートの対決はコートの勝利に。
だが、これはエレンの策略。インクを使って死んだふりをして、決勝戦でヘロッドとコートの対決が始まる前に町に爆薬をしかけて動揺をさそい、最後に射殺しておしまい。町はコートに預けて立ち去る、というお話。
途中で一度ヘロッドと一対一で食事のチャンスがあり、そこで撃とうとするけれど怖じ気づいてしまうエレン、酒場の娘が売春宿の親父にレイプされたことがきっかけで人を殺すことへのためらいが消える、など成長?のきっかけがあったり。
最後の対決で明かされる、エレンが父親の首にかけられたロープを狙って撃ったら父親に当たって殺してしまった、というエピソード、え、今?とか思ってしまって、このエピソード必要だったかなぁ、とか。
ジーン・ハックマンは貫祿がある憎まれ役を嬉々として演じています。ガンマン対決も次々に自分を狙ってやってくる殺し屋を排除するのが目的だとか、考えてるんだか考えてないんだか。でもガンマンとしての腕がすごい、というのは、ランス・ヘンリクセン演じるエースを射殺するときにはよくわかりました。
原題の「The Quick and the Dead」は、早抜きで勝ち抜けない者は死ぬ、ということで、「素早く死ぬ」わけではないですね。
ヘロッドは聖書のヘロデ王からの引用だそうですね。父殺しのテーマがそこに絡んでくるのも狙いでしょうか。
