前回の続きでトーリン率いるドワーフのメンバーが、失われた竜のスマウグを倒して王国エレボールを奪回できるかの旅。例によってビルボが指輪をはめたりはずしたりしてますけど、なんか意味がどんどん薄れているような。
ガンダルフも罠だとわかっているところにわざわざ入っていって、大して策もなくつかまったりして、どんな意味があるんだろう、と、次を見てみないとなんとも言えませんが、考えてるんだか考えてないんだかわからないかんじ。
オークもうろうろとドワーフのあとをつけていますが、攻めるんだか逃げるんだかよくわからない感じでひたすらに返り討ちにあっているばかり。どうもCGキャラだけに存在感が希薄です。
そんな中で、森のエルフにとらわれたあと出会う、ドワーフのキーリに惹かれるエルフの女戦士タウリエル、そして彼女に片思いのレゴラス、といったあたりがドラマとしては魅力ある伏線になっていたと思います。あとは、エスガロスの町でドワーフたちを匿いつつ、でも全面戦争には反対の立場のバルドが、かつて竜のうろこに傷をつけた町の大弓で、次こそはしとめられるか?というポイントを引っ張って次につないでいます。
レゴラスの「ロード・オブ・ザ・リング」での感情を見せない、ある意味無感動な振る舞いは、この前日譚の影響だったのか、となんとなくわかるエピソードでもありました。
今回はビルボも少し自分の役割を自覚してきて、話を引き延ばして竜の注意をそらしたりしてましたが、もっと一思いに殺してしまうこともできるのにスマウグはなんでうろうろしてるんですかね。
最後に溶鉱炉で何をしているのかと思ったら巨大な先王の金の像を鋳造していたとか、それが溶けて竜に襲いかかるとか、ビジュアル的には面白かったけど、そこにいたるプロセスはなんとなく出来レースというか、ご都合というか。
トーリンの迷いぶりも、ちょっとよくわからなくて、金や権力に狂わされているのか、単純に元から頭が悪いのか。粘り強くもなく、あきらめやすいシーンもあり、人情深くもなく、あまり共感したいキャラクターではないので、その辺はこの三部作を通じての弱点のような気がしますね。
アクションもそれほど見せ場はなく、逃げ回るのが多いという点、景色はたくさん見れたのと、樽での脱出シーンに少し面白いアクションの連鎖がありました。
