最初に見たのは完全版じゃなかったと思いますが、全体のテンポがよかったのももちろんなんだけど、よりエイリアン映画的に見えていたような気がします。完全版になってからは、人物の背景がより描かれたためか、よりラブストーリーに見えるようになり、会話劇のうまさとかにより目が行く感じがあります。

エド・ハリスにとっては、一生分の善玉役をやり切ったんじゃないかと思えるほど、渾身の演技で、メアリー・エリザベス・マストラントニオも同様。山場でのこの二人の会話が非常に出来がよいので、長い尺も気にならずに一気に見れてしまいます。

あとは、マイケル・ビーンの狂気にかられた悪役ぶりも、ふだんは善玉をやりがちな人だけに突出していて、ある意味わざとらしくすら見えます。

脇役のバドのチームの面々も個性的でちゃんとそれぞれの役割で見せ場があるので、いいキャスティングだったなと思います。

追加シーンの終盤の津波とかは、すこし時代がかった、古さを感じさせる特撮で、海底の閉塞感のある映像の後で後半にみると、ちょっとだれた感じがなくもないです。

あと、中盤で潜水艇が浸水したりするシーンが何カ所かあったのですが、ああいう深海で浸水しだしたら、あっと言う間に水圧でやられないのかな、とか、水中で泳いでいるときには水圧に耐えられるのかな、とかリアリティの面では気になったりしました。

海上の船の通信役で見覚えのある顔があって、「ホーム・アローン」で泥棒役をやった人かな、と思ったのですが、どうも「恋はデジャ・ヴ」のカメラマン役をやっていたクリス・エリオットのようです。