監督は前3作のソダーバーグではなく、「ビッグ」「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス。ソダーバーグは制作で入ってます。
ダニー・オーシャンの娘デビーがサンドラ・ブロック、最近になって仮釈放されてきたと。そのつかまっている間に新しい盗みのスキームを練りに練っていたと。兄ダニーは獄中にいる間に死んだという設定で、彼女は墓の前でリベンジを誓う。
目をつけたのは美術館のパーティー。そのタイミングで、カルチェの秘蔵のダイヤのネックレスを引っ張りだし、すり替えようというプラン。
あとは、そのプランがいかに実行されるか、のトリックとうまくいくかどうか、をどきどきしながら見ればいいので、安心して見られます。
相方はルー(ケイト・ブランシェット)、パーティーでそのダイヤのネックレスをつけて着飾るのにふさわしい女優はダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)。そして彼女のドレスを作るのが、やや落ち目と言われたローズ・ワイル(ヘレナ・ボナム・カーター)。なかなかの役者を揃えて、後はハッカーや宝石加工のプロ。
パーティー会場の監視カメラの角度を少しずつずらして視覚を作ったり、ダフネのスープに細工をしてトイレに行かせたりして、その隙にダイヤを盗む。会場が封鎖され、捜索が進んだところで、偽のネックレスを見つけてめでたしめでたしとなる。当然、カルチェに戻ったときにこれが偽物であることはばれるのだけど、そのときにはすでにダイヤはバラバラになって、会場の外に持ち去られているという寸法。
ただし、途中でダフネが怪しんでデビーたちのアジトに乱入。そこでプラン変更。彼女も巻き込んで、デビーを裏切って刑務所に送った元カレをはめることに。昔なじみの保険調査員も、怪しみながらも真相にはたどり着けず。
ダイヤのネックレスだけじゃなく、会場に飾られていた他の警備の厳重な宝石もみんないただいていた、というのが最後のどんでん返し。
サンドラ・ブロックとケイト・ブランシェットの会話術にノセられていつのまにか引き込まれてしまう、そしてアン・ハサウェイが生き生きとコメディーを演じているのが楽しいですね。ちょうど「ゴーストバスターズ」の最新作といい対をなす、女性活躍版のリメイクということでしょう。欲を言えば、手ごわい敵というのが最初から見えているとやっつけ甲斐があるんでしょうが、今回は自分がカモにされるとも知らない元彼だけなので、そこはややユルめ。リアンナのハッカー役もよかったと思います。
前作まで出演のバーニー・マックが亡くなったので、ソダーバーグ監督は「これでシリーズは終わり」と宣言していたらしく、その意味でダニー・オーシャンも今回は死んだふりをして最後に顔を出すのかな、と思ったら、そういうことはしませんでした。
パーティーに有名人がたくさん集まる、ということで、セリーナ・ウィリアムズやマリア・シャラポワの名前もエンドクレジットにありました。
