前作でヴィーとの対決で死んだかと思われたゴーゴリ。村人の目を避けるように済ませた埋葬のあとで復活。だが警察署長ビンフは彼を7人の娘を集める作戦を立てた責任をとらせ、黒騎士だと主張し逮捕する。やがて村人の怒りに火がついて私刑で殺されそうになったところでまさかの助けが。それは死んだと思われたグロー捜査官だった。
一方、泉のほとりで実らぬ恋を嘆くオクサーヌにダニシェフスキー伯爵が取引を持ちかける。生き返らせてゴーゴリとの仲を取り持つから妻を始末するのを手伝えと。その代償は死後の地獄堕ちだったが、オクサーヌは了解する。
しかし、いざその儀式が行われ、よみがえったと思ったそのとき、オクサーヌは殺され、その生き血を吸った黒騎士、その正体はまさかのリザだった。グローが残した「12+1」のメモ、それは12人の乙女と一人のよみがえった者を意味したのだ。
ここから後編。
リザの背景はやく160年さかのぼる。村の領主の娘二人、姉のマリアと妹のリザ。だが父はまもなくポーランドの蛮族との戦いに破れる。復讐を誓った姉妹はポーランドの野営地に進入、敵のリーダーの黒魔術師を捕らえる。だが帰路で黒魔術師の甘言に操られたマリアとリザは対立、黒魔術師は倒すがリザは黒騎士の呪いを受けてしまう。以来30年ごとに生贄を得ないと人間の姿を維持できなくなったのだった。
グローの策略でリザは捕らえたが、グローには捜査官とは別の秘密結社の一員の顔があった。その計画をしったゴーゴリとビンフは止めようとする。その過程でリザは黒騎士の姿でビンフとグローを圧倒するが、そこにやって来た酒場の老婆、実は黒魔術で生き残ってリザに復讐を誓ったマリアだった。ビンフを殺し、ゴーゴリも瀕死の重傷を負ったそのとき、リザは自らの生気をゴーゴリに与えて癒し、マリアに首をはねられて絶命する。
マリアに止めを刺されるかと思ったその時、鍛冶屋の娘ヴァシリーナが魔女としての力に覚醒、捕らえたところでグローが政治力でリザの代わりにマリアを連れ帰ることになった。
ゴーゴリを愛した二人の女性は死に、酒びたりの日々を送るが、やがてこの地の出来事を出版し、売れっ子作家の仲間入り。朗読会の終わりに魔物に襲われるがプーシキンに救われ、グローの組織と対抗する活動に参加することになって終わり。
最後が悲恋ものだったので、リザと再開するようなロマンティックな終わり方かと思ったら、冒険活劇の続編を期待させるような展開で、ちょっと意外でした。
でも、既存のドラキュラ、フランケンシュタインなどとは違ったひねりの、フォークロア的な魅力と、各キャラクターの造形で飽きさせず見られて、満足感がありました。
