ニコライ・ゴーゴリというのは、19世紀を生きたロシア帝国の実在の小説家。芥川龍之介やカフカなど多くの小説家に影響を与えた人だそうです。彼の残した短編集に基づきながら大胆に仕上げた壮大なゴシック・ホラー・ファンタジーです。
秘密警察の捜査に随行し記録を残す書紀として働くゴーゴリ。時々卒倒し、意味不明な白昼夢を見ることが。だがそんな彼を周囲は変人扱い。残りの時間は詩や小説を書くが、世間ではさほど売れず、ヤケになって自著を買い占め暖炉に放り込んで焼却したり。
だがそんな彼の不思議な才能に目をかけてくれる著名なグロー捜査官についてポルタヴァで起きた事件の捜査についていくことに。黒騎士が次々に若い女性を殺して回っているという。田舎の警察や聖職者は近代的な捜査をバカにして、噂が広まるのを恐れている。
ついて早々、散歩に出たゴーゴリは近くに移住してきたよそ者の貴族夫婦と知り合いに。ゴーゴリの本を読んで高く評価してくれるリザに好感を持つ。
やがて独特の感覚でこの村で30年前にも大量殺人事件が起きたことを察知、宿の女将もその裏で暗躍していた魔女だったことを暴く。
そうするうちに襲撃をうけ、グロー捜査官は黒騎士と対決、翌日焼死体で見つかる。捜査を引き継ぐことを決意したゴーゴリは、画を描く鍛冶屋、酔っぱらいの医者、そして従者のヤキムと新たなチームを結成し、事件解明を誓うのだった。
結局、最初の事件は解明はされず、森の中に迷い込むと黒騎士に殺される、というパターンで、三部作を引っ張るのでしょうか。
最初は反感を感じながらも少しずつゴーゴリに協力していく地元の警察署長が、シンプリー・レッドのミック・ハックネルか、イエスのジョン・アンダーソンか、というプログレ感満載の人だったりして楽しいのと、特撮が非常に頑張っていて、幻想シーンとの移り変わりが期待させるのと、ゴーゴリの持っている暗さと売れない作家としての鬱屈感が、次第に捜査官としての自信として開花していく感じ、続きも期待させます。
全体で2時間弱ですが、途中で、インターミッションが入るので、前/後編として別に放送もできるテレビシリーズとしての作りになっているようです。
