クローネンバーグなんで、やっぱり悪趣味な映像が少なからずありますね。

ジェフ・ゴールドブラムとジーナ・デイビスという、当時としては若手の魅力もあって、前半はなかなか楽しいのですが、物質転送機のポッドにハエが入り込んでしまったのがきっかけで、セス・ブランドル博士とハエの遺伝子が融合されてしまう。

物質転送に成功した当初は、超人的な身体能力を手に入れて喜んでいたものの、次第に体に変調をきたして、あとはどんどんグロい方向に。

ヒヒの転送に失敗したあたりから、これは普通のSFじゃないな、という感じがプンプン匂ってきます。

後半、ヴェロニカの妊娠がわかったあたりから、もう悪趣味満載。ハエ化が進んでいるはずなのに、どんどん体がブヨブヨして、おかしいな、と思っていたら、最後に体が崩壊して、本格的にハエになっていくと。でもFLYっていうくらいだから、空を飛んだり羽根が生えないとおかしいなと思うのですが、壁に張り付いて逆さに歩いたり甘いものが好きになるぐらいで、見た感じはあまり昆虫っぽくなりませんでした。