シークレット・サービスのマイク・バニングシリーズの3作目。今回は大統領が替わってモーガン・フリーマンになってます。

冒頭で戦闘シーンがあるのでなにかと思ったら、民兵企業サリエントのトレーニングを体験していたマイク。戦地を共にした経営者のウェイドから不況だから政府になにか口利きを頼まれるけど、さりげなくかわす。

長年の激務がたたって心身の不調に悩むマイク。鎮痛剤を常用し、不眠にも悩み、医者にも身分を偽ってかかるけど、寄る年波には勝てない。そんな中、長官のデイヴィッドが引退するので、次の長官をやらないかと大統領から声をかけられて、でも現役にこだわりたいなぁ、と迷う。

そんなある日、大統領はたまの休みに趣味の釣りに。そこに謎のグループがドローン攻撃をしかける。次々にドローンの攻撃で木っ端みじんに吹き飛ばされる護衛官たち。大統領の船を一時的に離れていたマイク、なぜかドローンはマイクの船は攻撃せず。マイクは水に飛び込んだ大統領をかばい水中に。

そして二人だけは命をとりとめ、病院に。そこで捜査に乗り出すFBI、犯人たちが残した証拠を手がかりにマイクが犯人だと決めつけ、妻のリアにも尋問。マイクは護送中にさらにさらわれそうになるけれど、隙をついて逃げ出す。警察からも、謎の組織からも追われる立場に。犯人グループの一人の顔から、民兵企業サリエントが背後にいるのでは疑惑を持つマイク。身をくらまして山小屋に暮らす父親のところに。

父はベトナム帰還兵。精神をやられてマイクと母親をおいて家出した。政府を信用できず、隠遁生活を送っている。けど匿ってもらい、久しぶりにぐっすり寝る。しかしジェイドはそこも嗅ぎつけ、私兵を送り込む。秘密の抜け道を通って敵を交わしたマイクたち。ここで父親の秘策が炸裂、あちこちにしかけた爆弾で敵を軒並み返り討ちに。

ここからは妻子がさらわれかけたのを父が助けてくれて、おじいちゃんだよ、と名乗りを上げる心温まるサイドストーリーがあり、モーガン・フリーマンが意識を取り戻して、暴走する副大統領のロシア攻撃の危機が迫ったり、その大統領に止めを刺そうと病院を襲ってくるジェイドたちをマイクたちが少数精鋭で守り抜く籠城戦になったり。

最後とマイクとジェイドの一騎討ちでナイフ戦を制したマイクの勝ち。マイクもしおどきを悟り辞表を出すが、慰留されて長官に任命されるとか、父親とのまったりした時間を過ごそうと瞑想プールに行ってみたりとコメディータッチで終了。

まあ、話は、途中から(最初から)犯人バレバレで、途中からはもう世間に対しての偽装工作も通用しないレベルのおおっぴらなテロ計画で、こんなんバレるに決まってるでしょ、と思うんですが。FBIだって、ちょっと捜査したらこんな偽装見破れよと思いますが、まんまと騙されて、真犯人のところに無防備に飛び込んで行ったと思ったら即座に射殺されていて、なんかかわいそうになってしまいました。

今回面白かったのは、最初のドローン攻撃の時の爆発と人の吹っ飛ばされ方が新機軸だなと。父ちゃんの爆弾で敵が返り討ちにあうときも同じ演出で、これが最近の流行りなのかな、と思いました。

メイキングでもちらっと言ってるんですが、街を壊すのは前2作で限界までやったから違うことをやろうと、そしてキャラクターの掘り下げ。父親との相剋を出したのはまあ面白かったですけど。最初カート・ラッセルかなぁ、と半信半疑だったのですが、まさかのニック・ノルティ。こういうおじいちゃんになってたんですか。まあ、破天荒ぶりははまってましたが、この人の周りの空気だけ、コメディーになってるんですよね。

奥さん役、こんな人だっけ?と思ったら、スケジュールの関係でキャストが変わってました。あと、シークレット・サービスの長官デイヴィッドは、「フリンジ」「ジョン・ウィック」などでおなじみランス・レディック。