パリのカフェで尾行されている美女エリーズ。彼女はどうもある犯罪者アレクザンダー・ピアースの恋人らしい。彼女の元にナゾの手紙が。「リヨン発ヴェネツィア行きの列車で僕に似た男に声をかけろ…」。
彼女に声をかけられたのはアメリカの数学教師フランク。監視していたインターポールも逮捕の準備をするけれど、直前に招待が分かり、見逃す。同時にピアースの元雇い主のロシアン・マフィア、ショーにも情報が入り、フランクとエリーズは付け狙われることに。
ヴェネツィアの高級ホテルで豪華なスイートにチェックインした二人。バルコニーで二人はキス。しかし翌朝エリーズは消え、部屋に残されたフランクをロシアンマフィアが追う。すったもんだの挙げ句、イタリアの警察につかまったフランク。しかし警部の密告でロシアンマフィアに渡されかけるところ、エリーズが船で助けに。
そして、直後に警察に乗り込み、身分を明かすエリーズ。彼女はピアースを追ってロシアに潜伏した捜査員だった。ピアースを引き渡す代わりに復職したいと願い出る。そして舞踏会に。
舞踏会にふいに乱入するフランクはエリーズに言い寄り、警察に排除される。ピアースからメモを受け取ったエリーズは密会場所に。そこにはショーがやってきて、金のありかを問いただす。あわや殺されてしまうか、というところにフランクがやってきて、金庫を開けると言う。そんなことできるのかと、疑う一同、あわやというときに、長官の一声で狙撃部隊の銃撃。ショー一味は全滅。
助かってよかったねという現場にピアースを捕まえたと無線連絡。一同が言ってしまったところでフランクが実は僕がピアースだと告白。金庫を開けてめでたしめでたし。
大スター共演の娯楽サスペンス大作、1950~60年代に撮られたようなオシャレロマンティック映画をねらったんでしょうかね。
昔ブルース・ウィリスが作った「ハドソン・ホーク」をちょっと思い出しました。
こういうのを全否定するつもりもないんで、景色とか撮影とかすごく頑張ってると思うんですが、プロットのひねりとアクションに関してはイマイチ、イマニ、イマサンぐらいでしょうか。
最終的などんでん返しの前にその可能性についてはみんなが脳裏に描いてしまって、ラストがなあんだやっぱり、になってしまうのが残念なのと、そこに至る過程の肝心のフランク、エリーズの心情が、共感できない。もちろん、裏がある人々だから共感できるような底の割れ方をしちゃいけないんでしょうが、だとすると誰に寄せて見ていけばいいのかがわからない。捜査陣もショー一味もその意味でも物足りない。それでも見てもらえるのが大スター、というのはまあこういう映画のフォーミュラなんでしょうが。
でも、これだけ時間を過ごしてピアースを見抜けないエリーズ、捜査官としてもちょっとヤバイでしょうとか思ったりしました。
