火星への有人着陸ミッションの途中で巨大竜巻に襲われ、クルーを助けるために隊長チャパエフ一人が不時着して残された。
地上のチームは次の救助隊を送り込むために必死の努力をするけれど、エネルギー・食料など総合的に考えると持って1年ちょっと。予算は?
そこにテレビ局がおいしい話をもちかける。「火星人」というタイトルのバラエティーショーにチャパエフを出演させれば救助の予算を出そうと。
そんなわけでチャパエフを出すと、世界中でバズって人気者に。反面、火星の表面では不思議な現象が起こり始め、チャパエフの体調にも変化が。
やがて、大臣がチャパエフのキャラクター権を独占し次の大統領選に打って出ようとする陰謀が明らかになり、大臣は逮捕。その過程で宇宙から送信していたはずのチャパエフの映像もフェイクだったと判明。彼は発射前の訓練中の事故でなくなっていたのだと。
チームのトップはチャパエフと接続してこう告げる「君は存在しない」…。
え?と思いますよね。そんな全部でっち上げで進行してたんですか?火星に行ってもどってきたクルーは?残りエネルギーだって計算してましたよね?
そして宇宙船の外を回っていたロボットが観察していた異常現象はなんだったんですか?
ラストは宇宙船を爆破したのち、単身、火星の不思議な生命体?とコンタクトを取るチャパエフで終了。
客観的な事実と、個人の主観の中にある幻覚が微妙にいいとこどりして、ちょっとわけわかめな終わり方をしました。
魅力のあるプロットと特撮だったので、もう少し登場人物それぞれの行動原理が合理的だったら、魅力的だったんじゃないかと思うんですが、みんなそれぞれに自分の勝手な思惑で動いていて、いろんな可能性を考えようとしない。それこそが、地上の人類がダメな理由、ということなのかもしれませんが。
