ハリーハウゼンの時代ならともかく、いまの作品でこういう演出に出会うとは思っていませんでした。

主役のシンドバッドを演じたのはパトリック・マルドゥーン。途中から「レヴォリューション」のマイルズを演じたビリー・バークなのではないか疑惑が生まれましたがそこまで渋くもなかったです。ヒロインのロアはサラ・デサージ、あんまり有名な人ではないようですが、ちょっとオリヴィア・ワイルドに似た美人です。

ストーリーとしては、海運会社の経営者シンバッド社長が、海賊に乗っ取られたタンカーを取り戻しにヘリコプターで乗り込むけれど、嵐に巻き込まれ無人島に遭難、そのあと現地人?のロアや狂信者集団と出逢いながらも、地球を壊滅的に襲った災厄から救う、という感じ。

途中で、一人死に二人死に、と自分の責任で連れ出した社員たちを死なせてしまったり、次第に信頼関係を育てていた海賊を死なせてしまったり、と感情的な山場があり、ロアはロアで死んだと思っていた父親と束の間の再開とかもあったので、それなりにはイベントがあるのですが、どうも全体を通してのプロットがわからない。

本社を守っているはずのCEOも、中途半端な形で会社を乗っ取ろうとして、しかもタンカーのサルベージをサボタージュして逃げ出した末に竜巻に巻き込まれて悲惨な最期を遂げるとか、ちょっと意味わかりません。

全世界的に天変地異が襲うのも、本当は何が理由なのか、なんでおさまったのか、見て取れるような情報が提供されないのは残念。

シンドバッドみたいな物語的なアイコンを現代という舞台に持ってきたのは素直に評価したいのですが、その割に、追いかけているプロットはアラビアン・ナイトの下敷きをほとんどはみ出さず、再構築の努力をしていない感じ。ロアもものすごく泥臭い原住民かと思ったらすぐに流暢に英語を話しだすところ、シュールでした。

どうも、このTHE ASYLUMという会社自体、あまりそういう意味での本気の作りはしない会社らしく、ホームページの作品のポスターなどをチェックすると、ヒットしたSFやアクションのパロディーやパクリを粗製乱造するのが得意らしいです。傑作を作ろうとは最初から思っていない潔さは買いたいと思います。ただ、ポセイドンと言えるような存在はほとんどでてこないのでそこは詐欺です。