クラウドファンディングに参加して届いたばかりの‪「キッズライクアス」一気に読んでしまいました。

清新な文体で綴られた自閉症スペクトラム障害の青年の物語。

主人公マーティンはプルーストの「失われた時を求めて」になぞらえることで自分と世界の折り合いをつけている。そんな彼が一夏、映画監督の母親と姉とともにフランスの田舎町で過ごす。そこで経験する出会い、友人、恋がマーティンの独特な視点で語られる。

自他の区別は?普通とは?これが全ての自閉症スペクトラム人の感じ方とは言えないだろうし、わかったつもりになることは危険かも知れないけれど、目が開かれるような体験。‬

なんらかの生きづらさを抱える人も、生きづらさの原因を知らずに作っているかもしれない人にも勧めたい。

‪林真紀さんの訳も、注釈を脚注や文末でなく、本文中にさりげなくカッコで挿入する読みやすさがうれしいです。‬