最初はちょっと期待させたのですが、途中からおいおい、という感じになり、まさかそんな平凡な終わらせ方はしないだろうと思った通りの最悪の終わり方という、ちょっと想像できない結果でした。中学生の文化祭的なやつですかね。
エネルギー問題を解決する画期的なプロジェクトだけど詳細にはわからない、そんなスカウトに乗せられてアメリカから妹ミアとその息子ドニーをつれてイギリスに移住してきた主人公ウィル。
どうもその計画とは、地球と全く同じ資源をもった世界をクローンして(ただし生命体は作らずに)、そこの物質を純粋なエネルギーに変換すれば、どんな発電方式よりも効率的に地球のエネルギー不足を解消できるらしい。そんなアホなと思うでしょうがそれにまんまと乗せられてパイロット役をすることになったウィル。
時系列が飛んでトリップ後、並行世界にやってきたらラボのメンバーがみんな死んでいる。どうやらテロリストに襲われたらしい。外に出るとドローンに警告されて逮捕されると。だけどテロリストグループにも襲われて、その中の一人がなんとかつての仲間。彼によるとウィルは死んだらしい!並行世界で?
つまり、生物のいない並行世界を作り出したはずが、人間も丸ごとコピーしてしまった?どんなちょんぼやねん。ていうか、コピー作るのにどんだけリソース使ったのと思ってしまいました。
で、ウィルが持っている四角い箱、これはリディバイダー(再分離機)というらしい。何に使うの?と聞いてもラボから駆けつけたアビーは言葉を濁す。どうやら実験がうまくいかなかった時のために、世界を分離して、コピー世界を破壊するためのモノらしい。
そうしているあいだにも空に開いた穴から船やら電車やらが落ちてきたり鳥や動物が吸い上げられたり、この世の終わり感が満載。
そして、テロリストに追われたり警察のドローンに追われたりしているうちに、ウィルはこっちの世界のミアとドニーは助けられたと聞いていたけど、実は死んでしまっていたことを知る。アビーの嘘つき!
で、ブチ切れてウィルはエネルギータワーを目指して、リディバイダーを接続し、こんな世界滅亡させてやる!で終わる。
元の現実世界ではミアとドニーがタワーのエネルギー消滅を見届けて終わり。
画に描いたようなバッドエンド。
何が問題って、コピーして作られた世界の生き物にも生きる資格は同等にある、という当たり前のことが認められない主人公の欺瞞を作品がまったく見過ごしていること。また、アビーもウィルもとにかく演技が酷い。本当に思っていることか、相手を騙すために思っていることか、怒っているのか、怒っているフリをしているのか、まったくわからない。
そして、演出手法としても、大部分がウィルの主観という体で描かれていて、まぶたを開けたり締めたりする演出が古い!そしてモノローグとか、会話部分のセリフの棒読みっぷりがもう…。