引退した元英国首相の自伝を書こうとしていた人物が死んで、その後任になった主人公が、その真相を次第に発見していく、政治スリラー。
ユアン・マグレガーがゴーストライター役。この世界では筆の早さでは定評がある。さっそくボストン近くの島の別荘?に元首相を訪ねる。折しも元首相は捕虜の拷問・虐待をCIAと組んで行った疑惑。
そして、元首相をめぐる、秘書官と妻ルースの微妙な関係、ゴーストライターの前任者マカラの死を探るうちに、フェリーから落ちたのなら海岸に流れ着くはずがないはず、前夜に浜で明かりを見た人物が転落して意識不明になっていることを知る。
部屋に隠されていた写真を見ているうちに、元首相が若いころに出会っているポール・エメットに会いに行き、その直後にフェリーまで尾行される。危機を感じてフェリーから降りたゴーストは、元首相を告発した元外相ライカートに連絡を。マカラの草稿にヒントがあると聞くのだが、それらしい情報は発見できず。
やがて元首相が迎えにきて島にもどるのだけど、そこで元首相は狙撃されて死亡。彼が書いた自伝はベストセラーに。
その発売記念パーティーで、あの草稿の秘密に気づいたゴースト。本当に元首相を影で操っていたのは…?
伝記作家なので、とくに派手なスパイアクションとかはなく、素朴な青年が好奇心から変なところに踏み込んでしまった、という体なのですが、なんせオビワンですから、もうちょっと活躍してくれないかな、という惜しさはあります。ラストも、なんで真相を突き止めておいて、あんな間抜けな最期を、と思ってしまうのですが、ミステリーとしてはこれはありなんでしょうね。
元首相の妻ルース役オリヴィア・ウィリアムスは、「シックス・センス」にブルース・ウィリスの妻役で出た以外はそれほど大作には出ていないようですが、魅力ある女優さんだなと思いました。
ポランスキー作品、丁寧に心理描写を重ねていて、ストーリーには引き込まれるんだけど、映像美としてはそれほど圧倒的なものではないところがちょっと惜しい、ということが多いです。