「ヤング・~」と聞くと、記憶にある一番印象的なのは「ヤング・シャーロック」だったり「ヤング・インディー・ジョーンズ」なのですが、なんと巨匠メル・ブルックスにもあったとは。1974年なのですが、モノクロ。
有名なフランケンシュタイン博士の曾孫フレデリックが、曾祖父の研究室を訪ねてその研究の秘密を知る。初めは自分はまっとうな科学者のつもりでいたけれども、やはり誘惑に抗しきれずに生命創造の実験に手をつける、というお話。
生まれた怪物は、言葉をしゃべれない失敗作だったけれども、フレデリックの必死の教育で、科学界に披露できるまでになる。しかし火への恐怖から暴れ出した怪物は捕らえられてしまう。
後は怪物の逃亡劇と、彼を救うためのフレデリックの最後の実験。原作とは一味違ったハッピーエンドに。
全体を通じてのメル・ブルックス節、オフビートな笑いで飽きさせずに見せてくれますが、本質的に原作が持っていた怪物の哀しみや大衆の愚かさ、科学者の傲慢のようなものはそのまま生きているのがすばらしいなと思いました。
キャストではアシスタントのインガ役がテリ・ガー。「警部マクロード」や「オー・ゴッド!」「未知との遭遇」「スペース・エイド」などが著名ですが、74年だと本格的に知名度が上がる前の作品ですね。怪物役のピーター・ボイルは「ドリーム・チーム」が印象に残ってます。エンドロールが出るまで気がつかなかったのは怪物が逃亡中に出会う盲人役がジーン・ハックマンだったこと。