モンティ・パイソンのメンバー、本当にみんな揃っていたのはエンド・クレジットを見て初めて気づきました。

サイモン・ペッグは「ホット・ファズ」で見て以来注目していますが、今回も作家を夢見る不器用な教師ニール役として、味わい深い演技です。

まず、地球人が宇宙人に向けて発した交信を呼びかけるメッセージが宇宙人の目に止まるところから。彼らは高度な知性を持ち、下等な生命体を審議して生かすか滅ぼすかを決めている。そのために一定期間、なんでもかなう力を与えて、その力をどう使うか見定めてから決めようと。そのために無作為に選ばれたのが、ニールだったからさあ大変、というお話。

彼のアパートの1階に住んでいるのがテレビのリサーチャー、キャサリン。作家のインタビュー番組を担当していて理想に燃えるのですが現場はモチベーションがなく、作家のゴシップや粗を探していじめる番組。そしてちょっと付き合っただけのアメリカの元軍人グラントが現れ、彼女をストーキングし始めます。

ニールは最初は力が面白くていろいろと試すのだけど、次第にキャサリンとの関係に関心が。そこにグラントが乱入してきて、ニールの力を知るや悪用しようとし始める。

さて、ニールは助かるのか、地球の運命は?

万能の力をもつきっかけとして全能の宇宙人を設定する、というのはなかなか巧妙で、しかも芸達者なパイソンズが小ネタを挟みながらなので楽しいですね。

キャサリンがニールに対して抱いている感情の質がよくわからないところがあるのは、ニールのどこが本当は魅力的なのか、ちょっと分かりにくいからですかね。でも、なんでもできてしまう人間には操られる人の気持ちがわからない、というあたり、管理職や政治家など、人の上に立つ人間にも共通する心理なのかもしれないな、とか思ったりしました。

テリー・ジョーンズ、つい先日亡くなってしまいましたが、これが監督作品としては遺作になりました。声の出演ではロビン・ウィリアムスにとっても遺作になるようです。