今はさびれた元鉄鋼の町シェフィールドを舞台に、職にあぶれた男たちがチッペンデールのストリップショーに触発されてストリップショーにチャレンジする、という、それだけの話なんですが、なにかわからない感動があります。
主人公ガズと息子ネイサンの、夫婦が離婚しても切れない父子の絆、というものにもぐっとくるのですが、相棒デイブの、体型を気にして振り切れないところと、そんな彼を信じて疑わない妻の関係、失業したことを妻に告白できないプライドの高いジェラルドなど、それぞれが自分を見つめなおすステージが作られているところが、ポイントを稼いでいます。
話としては、途中で一回警察沙汰になって、計画が町中に知れ渡ってしまい、挫折するのですが、帰ってそれで人気が出て満員になる。で、「フル・モンティ(スッポンポン)」になって終わり、という単純な構造。
このあと、彼らにはどんな暮らしが待っているのか、そんなことはわかりませんが、これを乗り越えたからには、なにかいいことがあるんじゃないか。そんな気持ちになる一本です。