ノンフィクションをベースにしたようですが、なかなかサスペンスのあるエンターテイメントになっていると思います。

ちょっとだけ、「ミュンヘン」を思わせる部分もあるのは、中東を舞台にした復讐譚だということでしょうか。暗殺稼業に嫌気がさして引退したダニー(ジェイソン・ステイサム)。1年後に親友のハンター(ロバート・デ・ニーロ)を人質にとられたとエージェントから連絡が。行ってみるとイギリスのSASに息子3人を殺されたオマーンの族長から、元SASを殺して自白をとらないとハンターを殺すと。で、仕方なく応じる、という話。

暗殺側の話だけなら単純ですが、元SASの組織も一役買っていて、何か周辺を探られていることは早くから気づいて、対抗しようとします。それが全部後手後手に回って、3人は殺されてしまう、というのがちょっとマヌケ。

と思ったら、最後になって、ダニーたちを追っていた元SASのスパイクも利用されていて、一番得をするのは?という話。

途中で殺しておけば楽なスパイクをあえて生かしておくダニーの必要最低限しか殺さない、という美学は立派なのですが、全体を通じてそこまでは効かない感じはあります。

仲間のディヴィスは「プリズン・ブレイク」で兄リンカンを演じたドミニク・パーセル。似たようなちょっと血気にはやって無駄に殺すタイプを演じています。

 

事件の起きた1980年時点でのテクノロジーだと、監視や尾行もベタすぎて、みんなとろいなぁ、という感じになってしまうのはちょっと惜しいですね。全体としてはまあ楽しいし、陰惨な終わり方じゃなかったからいいか、という感じですかね。