ハリケーン物では古くは「ツイスター」から「イントゥ・ザ・ストーム」まで見てきました。気象学者が出てくるのは鉄板で、それを観測するか、報道するか、のスタンスの違いはあれ、台風そのものを生き残ることが目的だった映画です。

今回の話は邦題からすると同じ路線に見えるのですが、原題がThe Hurricane Heistであることからも、ちょっと趣向が違っていて、嵐に乗じて行われる財務局の使用済み紙幣強奪計画がメインであること。

主人公の兄弟二人は、子どものときにハリケーンで父親を亡くした経験があり。弟は気象学者に、兄は電機修理の仕事につき、それぞれ疎遠に暮らしています。そこに巨大ハリケーンが訪れる直前。

現金輸送の警備担当ケーシーは、仕事上の失敗を経てこの仕事に。ところが処理場に着いてみるとシュレッダーが故障で現金を倉庫に保管することに。念を入れて電子錠のパスワードをリセット。嵐で発電機がダウンしたので兄の店に修理を依頼に。そのタイミングで財務局の乗っ取り事件発生。

犯人たちはケーシーのパスワードがないと現金を得られない。ケーシーは人質を無事に助けたい。といった中で、嵐の中でのチェイスと銃撃戦。で、途中でケーシーは犯人グループにつかまってしまい、やむを得ず金庫を開けることに。

兄弟は逃れて「ハリケーンの目」に乗じて逃げようとする犯人たちを追いかけ最後の闘いに挑む、という話。

なんとなく映像が派手だしハッピーエンドだし最後まで見ちゃいました。言ってみれば「嵐の中のダイ・ハード」みたいなもんですかね。犯人グループがなんでこんなに人死にを出さないことを優先しているのかわからないし、話の途中につながりが悪いところもあって、ラストのアクションも不自然極まりないのですが、まあ頑張った感じはあります。

タワーを車のウィンチで引き倒して通信をサボタージュしたりショッピングセンターの天井を破って犯人たちを吸い上げさせるとか、いろんな技を工夫していました。嵐の中で叫んで「それ聞こえるの?」みたいな表現はいくつかありましたが、まあそこはご愛嬌。

ケーシー役のマギー・グレイスは、「96時間」シリーズでリアム・ニーソンの娘役をやった人でした。なかなか魅力的なキャラクターだと思いましたが、ラストシーンではメイクが変わりすぎて別人に見えました。悪役コナー役のラルフ・アイネソン、少しピート・タウンゼントに似ていたり、ボブ・ペックを思わせるところがあったり、好きなタイプの役者さんです。わりにここしばらくのエンターテイメント大作では顔を見ることが多いようです。