もともと完成された落ち着きのある俳優だと思っていたジョージ・クルーニーも、やっぱり若いころがあったんだな、と思える作品です。
あと、デニス・ファリーナも「ミッドナイト・ラン」のマフィアとは真逆の探偵役でしかもヒロインの父親、という意外な面を見せてくれて、ある意味キーパーソンだと思います。
銀行強盗がライフワークのようになっているジャック。脱獄のときに巻き込んでしまった女性警察官のカレンと車のトランクで一緒になったときに妙に会話が弾んだのが気になって、彼女に執着してしまいます。カレンの方も次に会ったら捕らえてやろうと思いつつも、次第に彼のことが気になって…。
逃げる先にはまた次の強盗計画が。それは脱獄前に就職先を世話してくれる、と言っておいて大したことはしてくれなかった金持ちの社長のダイヤモンド。ところがそれを先に出所したワルが横取りしようとしかけて…。
強盗はやるけどスマートに。人は殺さない、銃も撃たない、というポリシーのジャックがその義賊ぶりを貫けるか、というところにいつの間にか話が入れ代わっているので、観る側もシンパシーが沸きます。
だけど、カレンが現場に駆けつけたとき、ジャックは決心。もうムショにはもどらない。愛する彼女に撃たれて死ぬなら本望。一方カレンはジャックを死なせたくない。最終的に彼女の決断は…。
ラストにサミュエル・L・ジャクソンも登場する豪華キャスト。マイケル・キートンは一体何しに出てきたんでしょう、というくらいの役。でもソダーバーグ監督の作品ならどんなチョイ役でも出たい、という役者は多いんだろうな、と思いました。