原作小説ありのものらしいです。

かつて行われた人類の生存を賭けた闘い。かろうじて勝ったのは一人のヒーローのおかげであった、という伝説を信じて育った次世代の人類。次に敵が襲ってきたときに備えて軍は常に有能な人材を選別し続けている世界。

少年エンダーは、その中で異彩を放ち、他の子どもたちとは違う戦略的な頭脳で頭角を現し、上官にも一目置かれる存在に。しかしその過程で嫉妬に狂った同期の少年に再起不能の重症を負わせたりして、次第に自分の目的に疑問をもち始める。途中でプレーしているゲームでも妙なビジョンを見始める。

そして、いよいよ出撃を控えた最後のシミュレーションバトル、うまく終えた、と思ったら、どうも様子がおかしい。どうやら、上官に騙されて、対話の可能性があった相手の星を丸ごと絶滅させてしまったらしい。

戦争といえば勝たなければ意味がない、という上官の賞賛をよそに、「自分はただの虐殺者だ」と自虐に陥るエンダー。絶滅した星を探索すると…。

SFとしてはちょっと雑かもしれませんが、哲学的な問いとしてはいい線行ってると思います。

キャストは、ハリソン・フォードがエンダーの才能に目をつけつつ、最後は騙す立場の上官、途中で現れる伝説のヒーローにベン・キングズレー。どうも彼が出てくると、テリー・オクインなのか、F・マレー・エイブハラムなのか、みんな区別がつかなくなります。エンダー役の少年は少しトム・ホランドを若くしたような感じですが、別人でエイサ・バターフィールドというらしいです。と思ったら「ヒューゴの不思議な発明」の主役で見てました。となると、ベン・キングズレーとまた競演、というわけですね。

全体としては「スターシップ・トゥルーパーズ」か「フルメタル・ジャケット」の少年版といった趣で、戦うために、人間がいかに人間でなくなっていくか、を描いた悲劇だろうと思います。