超話題作だし、スーパースターのラジニカーントが出ているし、最新の映像技術をこれでもか、と見せられた感じはあるんですけど、ちょっとこれでいいんでしょうか、という気持ちにはなる一作です。
バセーガラン博士は寝食を忘れてロボットの開発に打ち込み、その結果チッティというそっくりさんロボットを完成。軍に売り込もうとやっきになります。それをはたで見ていた師匠のボラ博士はそれを審査する立場でもあり、妬ましくもあると。
で、審査では、人間のような善悪の判断をできないという理由で撥ねられて、悩んでいると稲妻に打たれて、なんの奇跡か、感情を持ってしまう。で、博士の彼女サナに恋してしまうという。
で、いろいろあって、肝心の軍へのプレゼン本番では、「戦争よりも愛を」と語りだして売り込み失敗。絶望した博士はチッティを破壊してしまう。
廃棄されたチッティはボラ博士に拾われて再生するのですが、ボラ博士に悪のチップを埋め込まれて、暴走。結婚式に乱入してサナをさらい、警察を武力で圧倒。バセーガラン博士は悪のチッティ軍団の一人に化けて潜入して、いろいろ攪乱するけれど、正体がばれて、そこからが物量作戦のクライマックス。
最後はチッティも悪のチップを取り除いて正気にもどりますが、その過程で一体何人の警官・軍人を殺しているのか。価値基準が人命尊重じゃない感じがすごく強くて、あんまり笑えなかったです。人の命をすごく軽く見てませんかね。
そもそもの目的の、軍にロボットがいれば人が死ななくていい、という発想、相手も人だということを忘れすぎでは。
途中のダンスシーンとかは圧巻だし、サナも伝統的な衣装だけでなく、いろんな表情があって魅力的でしたが、ストーリーがちょっと殺伐としすぎて、しかも全部死んだボラ博士のせいにするって、お気楽だなぁ、と思ってしまいました。