まあ、ありがちなディザスター・ムービーと言ってしまえばそれだけですが、最近の異常気象をたくさん見ていると、こういう事態が将来的に起きないとも言い切れなくなってきていますね。
かつて「ツイスター」でも描かれたような、気象研究のために竜巻を追いかけているのとは違って、今回は映像として発信することをなりわいにする人々が現れて、だから野次馬的に巻き込まれるバカと、確信犯的に危険に突っ込んでいく映像取材班を対比させながら、そこに高校の卒業式と、妻を亡くした副校長とその息子二人の心情を交えながら、少しだけリアルに伝えています。
気象学者役にサラ・ウェイン・キャリーズが出てきて、いつもの「プリズン・ブレイク」のサラのノリのまんまの母親像。残念ながらそれ以上でも以下でもありません。
副校長の父親役・リチャード・アーミティッジは、ちょっとロバート・バークを連想させる、不器用でつい強圧的に出てしまう父親像を説得力をもって演じていたと思います。
現実には、こういう台風の移動はもっとゆっくりで、激しい風の継続時間はもっと長いだろうな、と思いながら最近の台風のことをリアルに思い出しました。
現実の危機管理として、まず卒業式は強行すべきでなかったとか、テレビはいつまでも安定して受信できてるから、もっと情報ちゃんと聞けよとか、さっきまで見えてたものが急に消えたりするかな、とかいろいろとリアリティーの面では疑問符もつきましたが、携帯がつながらなくなったり、停電したり、という面の深刻さはもう少しあってもよかったような。
バカなユーチューバーだけ、最後ちゃっかりと生き残ってしまうところ、ちょっと都合よくできてるな、と思いましたが、結構ラストは感動してしまいました。