前作で「歌はいいけどストーリー酷えな」と思ったのだけど、製作者も多分マズいと思ってたのか、過去を補強するプロット。

ストーリーとしては国としての過去の罪と償い、というところに触れているのが興味深い。ただ、この設定の場合、主要人物は同時に政治家でもあるわけで、そういう目で見始めると「ずいぶんお気楽だなぁ」と少し疑問も残る。

歌はたくさんで盛り上がるけど、ストーリーに沿った歌詞で展開していく系。ミュージカル作法というのか、曲としての完結感のあるものは少なかった。

映像的には、自然の風景の描写がどんどん精緻になってきたな、と思ったり、でも時々人間が飛び跳ねる時の重量感ではあれ、と思う瞬間もあったり。人間の芝居に対して、笑う、泣くに付随する、微妙に不細工な瞬間をあえて挟み込むあたり、CGの演出もどんどん進化しているのがうかがえた。

字幕版で見たのでピエールさんロスはなかったけど、歌が常にどセンターにペタッと貼り付いてる感じがあって、特にエンドタイトルで再度曲がかかった時に、コンプのかけ過ぎ?みたいに思った。劇場や上映システムで差が出るのだろうか。