鉄道警察という、地下鉄の保安を預かる警官の二人の話。黒人のジョン(ウェズリー・スナイプス)と白人のチャーリー(ウッディ・ハレルソン)は同じ義理の母に育てられた、兄弟のような関係。どじなチャーリーのしりぬぐいを兄のジョンがする、という構図で、チャーリーは賭け事で借金も作っていると。
そして、定期的に通るマネー・トレイン。一日の集金を集める電車を、職員よりも、乗客よりも大事にする鉄道局長。そもそもこの時点で相当ゆがんだ世界なんだな、と思ったり。スリの少年をマネー・トレインの警備員が射殺したり、今の世の中なら大問題になるところ。
局長とジョン・チャーリーは仲がよいはずもなく、一触即発。チャーリーはマネー・トレインを強盗してやりたい、とすら夢想する日々。
そんなところに、新人のグレースがやってきて、ジョンもチャーリーもそれぞれに意識し始める。
そのあとは、チャーリーの借金を取り立てに来たヤクザと揉めたり、ジョンとグレースが付き合い始めたのを知ってチャーリーがやさぐれたり、放火魔をやっつけたのに局長の機嫌で二人がクビになったり。
ヤケになったチャーリーはいよいよマネー・トレイン強奪事件を起こしてしまいます。そして、それを知ったジョンは止めに。局長は強硬な手段で止めようとして、被害を拡大、一般客が乗った電車まで巻き込んでしまう。
最後はマネー・トレインはなんとか止まって、ジョンとチャーリーも気づかれずに電車を降りて、ニューイヤーのお祭り騒ぎの中終了、と思ったらチャーリーしっかりお金をくすねていたと。
最後ヤクザの支払いどうするのかな、まだジョンの命が危ないのでは、と思って心配になったり、そもそも局長がありえないひどさなので、巨悪に関わっているのかと思ったらそんなことないし、放火魔の事件はあんがい小ネタで終わってしまうしと、トータルでは大した話にならなかったな、と残念。エディ・マーフィーとダン・エイクロイドの「大逆転」みたいな爽快な勧善懲悪の構造が作れたらもっと爽快だったと思いますが。
途中から電車を止める話になって、「アンストッパブル」とかぶるネタがたくさん出てきました。ウッディ・ハレルソンって、いろんな役ができますが、これはIQ低い白人の若者、という、今からはイメージしにくい役柄に挑戦していますね。それから放火魔のクリス・クーパーは、小松政夫さんにちょっと似てますが、「ボーン・アイデンティティー」の悪役だったり、「アメリカを売った男」の主役だったり、ちょっと印象に残る役が多いです。