一部の熱狂的な受け入れられ方ほどには絶賛、という感じではないけれど、満身創痍になりながら、きわどいところで勝利を収めた、という感じではあるのでしょうか。

前回の終わり方があまりにショッキングで、しかもその後少し話があってから、5年が経過する、というところ。キャプテン・アメリカが禁酒会のようなところでこころのもやもやを告白するあたり、ちょっと雑な描写じゃないかな、と思ったり。でもそうやって人類の半分を失ったことを引きずる人々、というのは案外多いんだろうな、というのはうなずける。バートンはなんで本人以外全員失ったんだろう、比率が酷だ、とか思ったり。

ナターシャが軸になって、平和維持活動はそこそこつづけているアベンジャーズ。このあたり、各国政府機関がそんなに腑抜けになって5年も経過する、というのはちょっとリアリティーないぞ。

そこに、たまたまの偶然から(偶然すぎ)、現実世界に戻ってきたアントマン、スコット。彼がアベンジャーズにコンタクトをとったことから、もしかしたら、タイムトラベルして、サノスより先にインフィニティー・ストーンを集められるかも、そしたら大量虐殺もなかったことにできるかも!というできすぎな発想。

反面、その世界で5年後にはポッツ女史と結婚してかわいい娘ももうけているトニー・スターク、あの時点にはもう帰りたくないと、いったんはみんなの提案を拒絶するけど、自分のせいでピーター・パーカーを死なせた、という自責の念と、研究者としての好奇心から、つい成功の可能性が少なくないことを発見してしまう。

そこから、インフィニティー・ストーンができるだけ集まっているタイミングを狙って、ちょっと過去に戻っては石を集める、という作業に。6つ全部ちゃんと集められるか。

ここからは、過去の戦闘場面やら登場人物との遭遇でいかに豪華キャストの再会とすれ違いを見せるか、という妙味。個人的にはエンシェント・ワンのティルダ・スウィントンが見られたり、ソーのお母さんのレネ・ルッソとの再会シーンが見られたのがよかったかな、と。

ところが、順調にいっていたかと思うのも束の間、ネビュラが潜入すると、どこかで過去のネビュラの脳と交信してしまい、計画が漏れてしまう。このへん、どのくらいの距離だとつかまるのか、とかご都合っぽい。でも、そのせいで、石は集まったけど、サノスもタイムマシンを経由して船団ごと襲いに来てしまう。一度は蘇生に成功した地球の人口だけれども、また絶滅の危機に?!そしてソウル・ストーンを手に入れる過程では、ナターシャが自分の身を犠牲に。前作ではガモーラがこれで命を落としている訳で。

そこに、キャプテン・マーベルが駆けつけたり、復活したアベンジャーズの面々がやってきて、ほとんどデビルマン終盤の神々対悪魔の様相を。で、壮絶な奪い合いの末、トニー・スタークが石のついたグローブで相手を滅ぼして、でもその反作用で力尽きると。ここにアイアンマンの系統は終了なのかな。

そして、石を戻しに行ったキャプテン・アメリカもなかなか戻ってこない、と思ったら、すっかり歳をとって帰って来た。過去に戻って、元彼女のペギー・カーターのところで人生を生き直してきたのだと。キャプテン・アメリカの盾をサムに引き継いで終わり。てっきりペギーの姪のエミリー・ヴァンキャンプと一緒になるかと期待していたので、彼女がしり切れとんぼになったのは残念至極。

ソーは地上のアズガルドをヴァルキリーに託し、あてのない旅にでると。でも乗る宇宙船はピーター・クイルの船。ピーターはまた自分にほれる前のガモーラを探すべく、また宇宙を旅することに。みんな仲良くできるのかな。

ということで、5年後の世界に、5年前に消えて亡くなった人達を蘇生する、というやや不自然なプロジェクトになりました。そのひずみって、子どもだとすっかり大きくなる訳だし、決して元通りの暮らしを送れるようなモノではないですけどね。まあ、それでもハッピーエンドのうちではあるでしょう。

残念なのは、ロキ。いいキャラクターだったけど、彼は戻った時間よりも前の時点で死んでしまっているので、蘇生不可能でしたね。過去のシーンで四面体を盗んで立ち去るところはありましたが、ちょっと残念。