イギリスの青春映画。すごい運転技術を持つラッキーという名の少年が巻き込まれた犯罪とその結末、という体の物語なのですが、狭い社会の中でここまで偶然と間抜けが同居しすぎると、ちょっといい加減にしてほしい、と思えてしまうという。
キャスティングがイギリス中心に活動している人ばかりなので、知名度としてもそれほどないのですが、なかなか魅力的な人材はいたと思います。演技の質は別にして、プロットが粗すぎるかな、と。
以下ネタバレ。
ラッキーが拉致されてきた先は、兄のボクシング・ジム。早速夜の街に繰り出すと危なげなお兄さんたちがいっぱい。旧友とも再会。そんななかで目を引かれる美女。実はロシアのゴロツキの彼女。でも強引に口説く。なぜ?よくわからない。そうしているうちに、友達から車の運転を依頼され、実はヤバい仕事だった。友達は殺され、金を返さないと殺されることに。兄に泣きつく。
兄のラファエルは違法カジノを強盗する計画を立てる。そこでいろんなメンバーを寄せ集める。その中に、たまたま声をかけた彼女の夫がいる。でも見ている側だけしか気づかない。全編、こんな偶然と、それに気づかない間抜けが横行。
カジノ強盗はうまくいくが、するはずのなかった殺しもやってしまう。ロシアのゴロツキは、強盗をやったカジノが、ボスのロシアンマフィアのものだったと後から気づく。まじですか。
そして、どうも、ラファエルとラッキーの両親を殺し、店を焼いたのがロシアンマフィアで、ラファエルは1年がかりでそれを計画していたのだと知る。それでこいつらを強盗に誘ったのか、というのは説明つきますが、彼らの素性を気づかずにのこのこやってきたロシアンマフィアって何?
最後は金のありかをめぐって、倉庫で全員集合で対決、生き残ったけどせっかく口説いた彼女に金は奪われ、車だけが残った。待てよ、車には少し金が残っていたのだった。やったぜ、じゃあマフィアのボスを殺しにいこうぜ、と兄弟が出発したところで終わり。
え?
目を疑うような終わり方。いや、彼女がラッキーの部屋に入って図面を見ていたのは知っていましたが、それでここまで狡猾に振る舞う理由になる?そもそも、ロシアのチンピラのところから逃げ出せない程度の子でしょ?
まあ、なんか先の見えない、行き当たりばったりの行動をとるのがイギリスの青春だ、という主張ならばそれはそれでいいですが。