冒頭に誰かが置いた瓶詰めのメッセージ。それが特捜部Qに届くところから始まり、どうもさらわれた子どものSOSだったのだろうと。カールは心身の不調に悩まされ出社拒否のようなことに。前回の事件が尾を引いているということですかね。でもなんとなく捜査には加わると。
一方、とある田舎の村では、エホバの証人の熱心な信者のところに若い宣教師が。なにやら子ども二人がいる家庭に取り入っているぞ、と思ったらいきなり二人さらっちゃいましたね。
ピンのメッセージの方は、たどっていくうちに熱心な信者の家庭の兄弟がさらわれたが、そのうちの一人は殺されていたと判明。犯人像や場所を特定するために、生き残った弟の記憶が頼り、ということで周辺で鳴っていた音がなんなのか、探ることに。
さらわれた子どもたち。父親イーリアスは聞き込みにも答えようとしないけど奥さんに諭されて事情を話す。どうも若い宣教師がさらったようだと。しかも身代金を渡さないと子どもを殺すとわかりやすい恐喝。電車に乗って金を渡せと。なんとか説得して警察が列車も駅も沿線も張り込むけれど、犯人からの指示は途中で金を外に落とせと。裏をかかれた形の警察、イーリアスも一緒に飛び下りたところを刺されて重症。カールは銃撃して犯人に傷を負わせたけど逃がしてしまい、奥さんになじられる。
しかし犯人もカールに対して執着を。病院で医者に化けてイーリアスを殺し、カールも気絶させてさらってしまう。森で取り逃がし辺りから、あまりの捜査の体制や連絡の甘さに頭がくらくらします。なんでこんなに簡単に出し抜かれるのか、ちゃんと電話をして非常線を張らないのか。
で、最後はローセが刑事みんなに檄を飛ばして、鍵となる音を聞かせて、どうやらそれは風力発電の風車の音だと辺りをつける。そして海に近いということで小屋を特定する。
一方、小屋にカールも連れ込んだ犯人ヨハネスは、幼いころのトラウマから自分は悪魔だと宣言、お前に信仰を捨てさせてやる、とカールに。カールは自分は神を信じていない、と告白するが信じてもらえず、弟セーミエルを水没させられてしまう。その後、姉のマグダレーナも殺すのかな、と思ったら、そこへヘリの音。ヨハネスが出て行ったところで、カールは自由の身に、水の中のセーミエルを救出し蘇生に成功。よかったね。
一方救出にきたアサドはヨハネスに不意をつかれ格闘になるけど、なんとか相手を水の中に沈めて勝利。
そして、生き残った人々は犠牲者を悼み、賛美歌を歌う中、カールに信じる心が芽生えて終わり。
元々カールの無心論的な部分が、イスラム教徒であるアサドをどこかバカにしているところがあり、途中では変な議論になるところがあったのですが、そのカールの頑なさが次第にほぐされていく、というのがシリーズとしてはカギなんでしょうね。だからといって、メインのミステリーのまずさは言い訳できませんが。
ヨハネスの動機といい、ずっと彼を信じて暮らしてきた姉といい、救いがない、狂信と貧困が根底にはずっと流れているんですけどね。