若者を殺し合わせて楽しむ、という映画はやはりゲームとはいえ気分がわるいですね。「バトル・ロワイヤル」とも共通する世界のような気がします。

政府に対する抵抗が徹底的に抑圧されたミライの世界。12の地区から毎年若者が選ばれて殺し合いをさせられる。最後に一人だけ生き残った人が最高の栄誉を与えられる、というルール。

炭鉱町の第12地区からは、くじで選ばれた妹の代わりに志願したカットニスと、ぜんぜんパッとしないパン屋のピータ。途中でトレーナー役がいたり衣装を考えてくれる人がいたり、ショーとして盛り上げようとトーク番組があったり、そういう世界観を支えるディテールや殺人に熱狂する貴族社会の虚しさなど、なかなか皮肉に描いていると思います。

ゲームが始まると、血気にはやる今どき風の乱暴な若者は次々に自滅、途中でカットニスも徒党を組んだ他の若者たちに追い詰められますが、黒人の少女ルーのアドバイスを受けスズメバチの巣で撃退、とか盛り上げたい主催者の意向で同じ地区だったら二人生き残っても優勝にするというルール変更でピータと再会するとか、そこそこのひねりはあります。

最後に二人が残ったところで再度ルール変更のアナウンスがあり、二人同時優勝はなし、となったところでの二人の決断。主催者の思い通りにはさせてやらないぞ、という意地が最後に勝利をもたらします。

まあ、あらゆる隠れ場所までカメラが追っかけてきてテレビ中継をしている、という悪趣味ぶりには引きますね。

カットニスの子は誰なんだろう、ちょっとイモっぽくて角度によっては太めに見えるけれど見ているうちにかわいくなるな、「プリズン・ブレイク」のサラにも似てるな、と思ったら、この人がジェニファー・ローレンスだったのですね。ピータ役のジョッシュ・ハッチャーソンは見覚えのある顔だなと思ったら、つい先日「センター・オブ・ジ・アース」シリーズ2作で見たばかりで、他には「テラビシアにかける橋」でも見てました。子役時代から活躍してきた子なんでしょうね。メイクアップアーティスト役がレニー・クラヴィッツだったとは!

途中で幼い女の子が死ぬシーンがいくつもあるのはちょっと悲しいなぁと思いました。まあ、これがあと3作もあるのか、と思うと全部見るのは正直金太郎飴だな、と思うのですが、地元の彼氏ゲイルとピータとの三角関係とかを発展させていくんですかね。原作読んでませんけど。「バイオハザード」シリーズだって全部見たんだから、やはり見ますかね。