サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーが組んでの刑事もの。

実績は上げるけれども高慢で仲間に嫌われているFBI捜査官サラ(ブロック)と、ボストン警察でどぶ板式の捜査で実績を上げるけれどやはり職場では浮いているシャノン(マッカーシー)が、麻薬捜査の途中で組むことに。

初めはお互いに嫌がっているけれども、途中でそれなりに似たところもあったり、組織の都合で捜査に邪魔が入ったりしたことから少しずつ意気投合、家族関係や生い立ちを打ち明けたりしながら、次第にお互いを理解し合うようになる、という、ちょっとハートウォーミングなコメディー。

途中で、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのビフ役、トマス・F・ウィルソンが出てきたり、「コーンヘッズ」や「サタデー・ナイト・ライブ」の常連だったジェーン・カーティンがシャノンの母親役だったり、「プリズン・ブレイク」のシーズン4で重要な役どころを演じたドン・セルフ捜査官だったマイケル・ラパポートがシャノンの弟役だったり、いろいろとにやりとしてしまいました。麻薬の売人の一人に見覚えがある顔があって、誰かと思ったら「バッド・バディ」でやっぱりマフィアの子分役をやっていたルイス・ダ・シルヴァでした。

サラのちょっとお上品を気取って線が細いキャラクターが、シャノンの粗削りトークでどう変化していくか、を見る形になって、どうしてもサラが主役っぽくなるので、シャノンにとっては損した感じがありますかね。彼女の側がなにか成長したり、学んだり、という面がもう少しあるともう少し達成感があったような気がするのですが、家族が狙われたり、弟が撃たれたり、シリアスな危機を受け止める必要があったのであまり笑いに走れなかったような。

酒場のシーンがすごく長くて、バカバカしいのですが、車を酔っぱらいにあげちゃったら、その車に爆弾がしかけてあったとか、ちょっと気の毒な展開もありました。

そして正体不明の麻薬組織のトップが誰か、捜査の情報を敵方に漏らしているのは誰か、などのプロットのひねりもそこそこ効いていたので最後まで飽きずに見られたかな、と思います。比べてしまえば「SPY/スパイ」の方がマッカーシーの魅力は炸裂しています。

ブロックの方に最初から注目していれば、彼女にとっては十分においしい映画とは言えるかなと思いますが。