ワカンダという、ヴィブラニウムの技術ですごく発達した文明を持つアフリカの国が、その技術力を隠して世界では発展途上国として過ごしてきた。先代の父王が亡くなって、新たに王座を次ぐことになるティ・チャラはどうするか、の選択を描いています。
その過程で、先代王がニューヨークでやむなく殺した自分の弟の息子が王位継承を要求してきて、決闘することに。なんとそこでティ・チャラは負けてしまうのですが、それをきっかけにワカンダは先進技術を使って世界中を征服しようと動き出す。
平和主義を重んじてきた歴代の王に反することでも、新しい王が言えばなんでも従うのか、と重臣たちは自問自答することに。
最終的にははぐれものの部族の力も借りてティ・チャラが復活して、逆転勝利を収めてことなきをえるのですが、なかなか興味深い論点がいくつかありました。
まず、なぜティ・チャラは決闘を受けたのか。受けて負けたのなら、潔く身を引くしかないところ、ヴィブラニウムの力を借りて仕返しをするのでは、ちょっとフェアじゃないのでは。そして、今まで除け者にされていたジャパリ族に一方的な恩を受けたわけですが、そのあとはどうするのか。
国民は、王に従うだけでいいのか。王をいさめるべきときにいさめないとどうなるのか、これは今の日本を見ていると頷けるところがたくさんありますよね。
映像的には、技術的に発展した未来都市のワカンダが、高層ビルが多すぎてあんまりいいところに感じられなかったのはちょっと残念。
出演者の中では、妹役のシュリが誰よりも突出していいキャラを出してました。