原題はRagnarokで、それが神話世界のアズガルドの崩壊を意味しているのだから、それを素直に邦題にすればいいと思うのですが、映画の宣伝の世界ってすごく月並みで凡庸だなぁ、といつも思います。
内容は、監督が変わったこともあって、いろいろと思うところがありますが、ロキとソーの関係性をネタにしたユーモアは楽しいかなと思います。
ソーは最近夢見が悪く、アズガルドが滅亡する夢ばかり見ていると。そこでアズガルドを恨んでいる敵を倒したりして、国に戻ると、ロキが父王に化けてのどかに過ごしている。前作で行方が知れなくなった父王オーディンを探すとそこでドクター・ストレンジにさらわれて、父親の居所を知っていると言われる。兄弟二人で父を訪ねると、凶暴な姉のヘラがアズガルドを滅ぼす、と予言だけ残して成仏してしまう。成仏っていっても、キラキラの光になって消えていくんですけど。で、そこに姉がやってきて、ちょっと戦ってもハンマーは粉々に打ち砕かれてしまうし、とても敵わない強い相手だとわかる。ロキが帰ろうとして虹の橋をかけたところ、追っかけられてヘラだけが国に帰るという最悪の展開。
そしてソーとロキはどこに行ったかというと、グランドマスターという男が支配する星に。そこでファイトをして生き残れるかどうか。ソーはチャンピオンに挑戦させられるのだけど、相手はまさかのハルク。ちょっと前から姿を見ないと思ったらそんなことになってたのかと。丸2年、人間に戻れずにハルクでいたことになりますが。
そこで戦って一応痛み分け?ソーの方が負けたようにも見えましたが、死にはしなかったと。そこでハルクとスクラッパーと星を逃げ出す算段。そこで知り合ったとらわれ人たちも、ロキと一緒に脱出することに。
アズガルドでは、ハイムダルが民衆を匿って虹の橋の剣も隠し持っていて、ヘラに狩られている途中。ソーが再びチャレンジするけれど、力の差は歴然。戦闘で右目を失ってしまいます。しかし、幻で見た父のアドバイスで、ハンマーに頼らず自分の力をちゃんと出せ、と言われて雷撃に覚醒します。
父の「アズガルドは場所ではない、民のことだ」の一言で宇宙船で脱出して、ラグナロクは予言どおりに起こすのが最善だ、と悟ったソー。冒頭でやっつけた怪物の封印をロキに解かせて、ヘラと相討ちさせることでアズガルドの滅亡を成就したのでした。
ヘラはその強さゆえに最初の方でアズガルドを支配したらその他にすることがない。本来なら他の星の一つや二つ攻め落としてもいいはずなのにぼやぼやしてる。その間の闘技場の戦いはそれほど魅力がなかったですかね。ハルクのまんまでずいぶん言葉を明瞭にしゃべるようになってるのがちょっと不思議。それから、ロキとソーの兄弟関係、前作まではロキを兄あつかいしてたと思うのですが、今回はソーを兄呼びしてたような。
前に比べると、アズガルドの民がずいぶん普通の人間ぽく感じたり、ドクター・ストレンジの登場はいかにもシリーズとの関連でのこじつけっぽく感じたり、シリーズゆえのめんどくささがあって、話そのものの面白さを追求しきれない感じもありましたけどね。でも、ラグナロクの成就が解決策だ、という逆転の発想は悪くなかったです。
スクラッパーは戦闘のスタイルにはそれほど特徴がなかったけど、今後も出てくるんでしょうか。グランドマスターでジェフ・ゴールドブラムが楽しそうに演じてました。ヘラがケイト・ブランシェットですか。貫祿ありましたがここまでアクションできるとは。