前作の路線を継承して、欲張りすぎずにライトなエンターテイメントとして仕上げられた冒険ものです。
前作のブレンダン・フレイザーのおじさん役は全く登場せずに、ただ義父のハンクとショーンの関係性で見せていくので、ちょっと当たり前すぎではありますが。
ショーンがおじいさんと思われる人から謎の暗号を受け取って、それがジュール・ヴェルヌの「神秘の島」のありかだ、となぞの確信を得てそれを解読しようとしている。義父のハンクは息子との関係を改善しようと、一緒に協力すると。暗号を解読するプロセスは単純だし、元海軍のハンクがそんなところで急に活躍しだすとか、やや都合よすぎな感じはしますね。だいたい、いままでどんな関係だったのか、急に関係改善を図る、とか「キミたち今出会ったの?」という感じがしてしまいます。
まあ、それはともかく、パラオに行くとそれがある、ということで地元のヘリをチャーターして向かう。操縦士の娘に一目惚れのショーン。そして「キングコング・髑髏島の巨神」と全く同じ展開で島に不時着。やったー着いた!
生物の大きさの逆転した生態系とかはわかりやすいですけどね。トカゲや鳥に襲われて逃げまどった後で、島が沈みつつあるということがわかって脱出方法を探ります。
頼りは伝説のネモ船長の作ったノーチラス号。それを探るためにネモ船長のお墓探検。探るうちにも火山の噴火が激しくなりしかも金を噴出していることが明らかに。ガバチョは抜け出して娘の学費を作ろうとするけれど、必死に止める娘など。
ノーチラス号を海底に潜って見つけたけどバッテリーが上がっていて起動せず。そこで電気ウツボと接続してわーい、動いたー!海に落ちた仲間も無事回収して、無事に帰還。
ガバチョはノーチラス号を使って海底ツアーで大儲け。娘のカイラニはアメリカに渡って夢の留学。めでたしめでたしか。
おじいさん役にマイケル・ケイン。ハンクとの相性の悪さが次第に解消していく、というところはあんまりうまく出なかったというか、そもそも何で対立しているのかがよくわからない。ただユーモアの感覚が理解し合えないだけなのかも。
ガバチョも父娘関係での経済的な悩みはあるにせよ、一度話せば解消するようなレベルの話なので、大きなプロットの中ではあまり機能しない役柄になってしまったかなと思います。
とはいえ、ノーチラス号の造形とか、合成とかは前作以上に頑張っていたと思うし、不思議な世界を冒険した、という点はちゃんと作れていたと思うので。
でも、アトランティスがギリシャ文化圏だとして、なぜパラオの辺りにあるのか、はいま一つ説得力ないし、700年周期?で沈むとしても、今回は遺跡が完全に破壊されてるし、前回と沈み方がちがうんでしょうかね。