いままでにないタイプの、女性スパイものでコメディー。日本では劇場公開されなかったというのがなんとももったいない。
メリッサ・マッカーシーはコメディーベースでアメリカで活躍中の女優さんですが、サタデー・ナイト・ライブでのレギュラー出演はないようですね。女性版リブートの「ゴーストバスターズ」にも出演していました。
オペレーターとしてトップクラスのスパイと組んでいた女性が、相棒の殉職により、現場に出ることになり、行方不明の核兵器奪回に乗り出す、という話で、一見「ジョニー・イングリッシュ」ノリかな、と思うのですが、もう少し才能のなさに自覚があるものが必死でチャレンジする姿が楽しい、という別な魅力があります。
プロットとしても、核兵器を追っているうちに売却相手を探ることになり、その途中でもさまざまな裏切りや暗殺計画が入り乱れて、真相には簡単に行き着けない、アクションもそこそこ本格的で、エンディングも爽快。なかなかの快作だと思います。
相棒のナンシーはミランダ・ハートというイギリスの女優さんなんですが、スーザンとの会話の間合いが絶妙でずっとコンビを組んでいたかのようです。
悪役ながらずっとスーザンと行動をともにする、核兵器の所有者レイナは、ローズ・バーン。「スター・ウォーズ」シリーズにも出ているほか、「トロイ」「ノウイング」「Xメン」シリーズなど、いろんな作品に出ていますね。ラストシーンでは逮捕されてるんですが、なんか共感したくなる、おいしい役柄だったと思います。
そしてゲストキャラクターが豪華。ジュード・ロウの本格的な二枚目スパイもいいですが、マッチョ自慢のジェイソン・ステイサム演じるフォードは引っかき回すだけ引っかき回す、おいしい役。なぜかスーザンにべた惚れなアルドもなかなかです。