ナタリー・ポートマンが主演で、ジェニファー・ジェイソン・リーが助演の、SFホラー。ホラーと言ってもそんなにこけおどし的ではありませんけどね。
リーナ(ナタリー・ポートマン)がクリーン・ルームのようなところに隔離されて尋問されているところから始まります。どうやら彼女はどこか危険なところに行っていたらしい。しかもただ一人の生存者。
リーナは軍人を退役して学校で教えている進化生物学者。夫ケインを亡くして1年らしい、と思ったら急に帰って来てびっくり。そしてまた急に倒れて救急車で帆走中に黒塗りの車にさらわれてわけわからないところに。どうやらそこは灯台の近く。“シマー”と呼ばれる一帯があって、そのエリアは刻一刻と広がりつつある。中に入ったものはたくさんあれど誰も出てこず。
実は夫もそこに入って行方不明になったのだ、ということがわかってさあ大変。重病の夫も治療のめどが立たず、何が起きたのか知りたいので、5人のチームを編成して調査することに。
やがて、みんなは、時間の感覚を失ったり、外界との連絡がとれなくなったり、異様な進化をした生物たちに襲われたりといろいろ大変なことになります。
その間にリーナの記憶のフラッシュバックで、実は同僚と浮気していたことがばれたり、いろいろありますが、とにかくチームはバラバラに。でも引き返すことはできずに崩壊してゆく。
結局先に灯台にたどり着いたのはヴェントレス(ジェニファー・ジェイソン・リー)、どうもわけのわからないものに体も意識も乗っ取られてしまったらしく、最後は白い発光体に。一方は灯台に設置されていたカメラの映像から、生きて帰ったと思っていたケインが実は自殺していたことをしり、じゃ、いま重病で寝ているのは?という謎。そして、リーナの動きをそっくりまねする銀色の生命体との対決。
想像を絶する不思議なものを描くにはどうしたらいいんですかね。しかも一つのエリア丸ごと、というのが大変。描き方は抑制的ですが、ポイントポイントに生物学的な突然変異や、動物と植物の境界線で起きる不思議な出来事を入れていかないといけないので大変だな、と思いました。もしも本当に遺伝子レベルでものすごいスピードでなにかが起きているとしたら、虫だって危ないし、ワニやクマの一個体のレベルじゃない形でいろいろ進行するはずなんじゃないかな、と少し理屈っぽく考えてしまいました。
女性だけの混成チームで、あまりちゃんと統制がとれていないのにぐいぐい前に進むあたりがB級感ありますね。
音響的にはなかなか予兆めいたものをうまく表現していて、ちょっと「メッセージ」を思わせるところがあって、ビジュアル的にもいろいろと頑張ったと思うのですが、ちょっと風呂敷を広げすぎたかなぁ、と思ったりしました。
ラストがハッピーエンドじゃないの、好きですけど。