
2007年版の映画のリブート版で、エージェントの生みの親を巡る争奪戦です。
今回はストーリーにバランスがとれて、映像やアクションのスタイリッシュさも含めて楽しめたと思います。
エージェントというものが教育だけじゃなくて、遺伝的な素質も含めて操作して生み出された、という設定がより強化されました。その結果、鍵を握るリトヴェント博士の娘にもより進化した能力が備わっており、その能力の覚醒と連動していくので、前作にあったヒロイン役の無駄なヌードや足手まといぶりが解消して、人間とはなにか、運命とはなにか、に収れんしていくストーリーになったと思います。
一人だけ、組織の追手に特殊なエージェント、ジョン・スミスがいて、皮下装甲により銃弾を受けても死なない設定にしたのが、ちょっとお笑いぐさというか、ここまでくるとタイムトラベルなしの生身の「ターミネーター」といっしょじゃないかな、と思えてきました。
意外性のある戦略のようなものはそんなになかったですが、当初からエージェント47の標的はル・クラーク会長だった、というのがどんでん返しの一つだったんですかね。最初から敵側だということはわかっていたし、どのみちやっつけたくなる相手でもあったので、あんまり意外な感じはしなかったです。
どちらにしても、「HOMELAND」のピーター・クイン役だったルパート・フレンド演じるエージェントは、前回に比べると少し華奢で、振り付けのようにアクションをこなす華麗さがあり、同時に少し揺らぐ人間性や、カティアを教育するのを楽しんでいるようでもあり、殺人マシーンでありながらも同時に冷酷になりきれないジレンマをうまく表現していたと思います。