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暗殺のためだけに育てられた孤児たち。完璧に任務をこなす暗殺者たちのグループに所属する、エージェント47の物語。

ロシアの大統領を暗殺しろという依頼に基づき完璧に任務をこなしたかと思いきや、その大統領は生きていて、暗殺の目撃者がいるから消せ、と追加の指令が。しかしその目撃者ニカは何もみていなかったと。

仲間の組織から次々に差し向けられる刺客を返り討ちにしながら、本当の黒幕は誰なのかを探りながら反撃していくヒットマン。

クールに任務をこなしていく姿はそれなりに爽快だし、常に相手の一歩先を読んでいる感じはわかるのですが、どこか見たような話が続きます。そして大統領の愛人ニカを守りながらの逃避行。ニカはヒットマンに好意を抱くけれど、それに対して応えようとはしないヒットマン。この辺の不器用さ、心が通っていく様を描きたかったのかな、とも思いますが、「ボーン・アイデンティティー」のような達成感はなかったですかね。マシンに血が通っていく姿を描くのとはわけが違いました。

一生懸命謎を解いたり、あと一歩で達成、というところで裏切られる逆境というのがなくて、最初の裏切りだけで遅れをとった感じなので、そのあとは特に心配する材料がないのが問題なのかなと。そして、なぜ、組織ぐるみで、こんなショボイ替え玉の依頼によって一国の大統領を暗殺して、それで済むと思っているのか、一番の腕利きを裏切って、自分たちの組織が壊滅したら意味ないと思うのですが。

一人だけ、組織から裏情報を電話で伝えてくれた味方の女性がいましたが、彼女はその後どうなったのかな。

ニカ役のオルガ・キュリレンコが、まだ007にも出ていない段階なので、惜しげもない脱ぎッぷりで体当たり演技、この映画全体では見どころの一つになっているのかも。その他では、ロシアの諜報機関の幹部に「プリズン・ブレイク」のTバッグ役で顔が売れたロバート・ネッパーが出てきて、ずいぶん頑張ってロシア語を長時間しゃべっています。性格的に、ハマっていたとは思いますが、ヒットマンがとにかく完璧すぎて、かなり損なやられ役で終わってしまっています。